カフェスローの内装には、ストローベイルや珪藻土などの自然素材が使われ、外からは野川と雑木林が気持ちいい風を運んでくれます。
建物の中にいながら自然を感じられる。そんなカフェスローの建物の話です。

カフェスローの裏手には、国分寺駅北口にある日立製作所研究所の湧水を源流とする野川が静かに流れています。そして、野川を挟んだ向こうには屋敷林を含む落葉樹の雑木林と生産緑地の畑が。
カフェの内窓から外を眺めると、まるで森の中にでもいるような風景が展開しています。耳を澄ますと、風が揺らす気持ちいい木々の自然のBGM。
JR国分寺駅前のビル街から、徒歩5分の場所とはとても思えません。
また界隈は、殿ヶ谷戸公園や国分寺跡地、野川の流れに沿って残された門跡など、文化と由緒ある街並み。
新生カフェスローは、そんな場に呼ばれてきました。

太陽の光、風、雨。
すぐそこにある自然エネルギーとつながります。
外壁の看板は、ソーラーと風力のハイブリッド発電で照らしています。雨水の有効活用として、雨水タンク”天水尊”を設置し、植物への水やりや打ち水に利用しています。
また、店内にはエアコンも設置していますが、夏はなるたけ南側の窓を全開して自然の風を取り入れます。冬は木屑ペレットと薪兼用のストーブを活用。
ストローベイルの壁、珪藻土の土間、天井や壁の内側に張り巡らせた麻の断熱材が冷暖房効果を高めるのに役立ちます。


カフェスローの建物は、もともと精密機械の工場跡地。
鉄骨構造の建物の内部をガリバリウムという鋼板と藁の壁で構成し、シックな雰囲気をかもし出しています。
できる限りお金をかけない材料を内装に用いていますが、珪藻土の土間や麻の断熱材という最高級な材料も使っています。
内観と客席の一部には、前回に引き続き藁と珪藻土を使用。今回は関西より100個あまりの藁が到着。
赤ちゃんからお年寄りまで、約150名のボランティアの方々によって、藁のブロックが積み上げられ、珪藻土が塗られ、出来上がりました。飾り付けには、貝殻や小石、流木など、参加者の想いのこめられたものが埋め込まれています。
環境保全都市宣言を公布している南米エクアドル・コタカチ郡の先住民初の知事、南米のガンジー、アウキ・ティテゥアニャ氏ご夫妻の蝶、シンガーソングライターで環境運動家のアンニャ・ライト親子のハチドリの森をイメージした手形も。
旧店舗に引き続き、新店舗のデザインは前回同様、スローデザイン研究会の大岩剛一さんによるものです。
工場廃屋が、見事にシックでおしゃれなカフェに変身できたのは、ひとえに大岩さんの優れたデザイン・センスによるものです。

新生カフェスローは何もかも新しくなったわけではありません。
テーブルと椅子は、大きな屋敷が解体される時にいただいたものや、リサイクルショップで出会ったもので、全て旧店舗からのものを活用しています。 また、旧カフェスローで存在感を発揮していた樹齢300年を超す栃の木のカウンターは、全長6mの巨大客席テーブルに生まれ変わりました。天井のライトも旧店舗からのものです。
このように新生カフェスローは、古いものたちと長く付き合っていくことで、旧カフェスローの雰囲気と香りを大切に残しつつ、さらに質を高めてリニューアルされました。